現在オイルマッサージとよばれるものは、アロマオイル(精油)をつかったアロママッサージ、
ハワイ式ロミロミ、アーユルヴェーダなど数々ありますが、
スウェディッシュマッサージはそのすべてのオイルマッサージの原点です。
オイルは文字通り潤滑油の働きをし、受け手の皮膚と術者の手掌を密着させ、滑らせる役割をします。
オイルの量が多くなればなるほど、滑りがよくなり、スムーズに手を動かせるため、一般的にたっぷりとオイルを使う方が、オイルマッサージらしく思われるかもしれません。
が、スウェディッシュマッサージ、特にクラシックスタイルといわれる正統な方式で使うオイルはごく少量です。
少量のオイルを使用することで摩擦を減らし、表層の筋肉はもちろん、深部の結合組織にまでアプローチすることで筋膜をほぐし、毛細血管を活性化させます。
オイルを最小限にすることで、筋組織を深部までしっかりとグリップし、凝りや滞りをほぐして血液やリンパ液の流れを促し、身体の機能を高めることができるのです。
そのテクニックは世界的に認められており、バレエダンサー、サーカス、野球、サッカー、陸上競技、スケートなど、肉体を酷使するトップアスリートには、組織契約、または個人契約のスウェディッシュマッサージセラピストが多く帯同しています。
アスリートにはもちろん、
トレーナーが帯同していて、
筋肉を上手につかってパフォーマンスをするメソッドについて指導するわけですが、
マッサージセラピストは競技後の筋肉疲労をしっかりとクールダウンし、
疲労物質を体外に排出するためのメソッドを駆使します。
それはパフォーマンスをあげることと同等に大切なことと考えられているのです。
現代人のデスクワーク中心の生活では、トップアスリートのような疲れは
溜まるはずがないと思われるかもしれませんが、
毎日、患者さんのおからだをみせていただいていると、事態はより深刻です。
人間も動物です。文字通り動くものであって、一日中座ったまま動かない生活は自然に反しています。
身体の動きにつれ、体液も移動するはずが、動かないために筋肉が硬直し、
目と頭の酷使、指先でマウス、スマホを常時扱うために交感神経優位の時間が圧倒的に長く、
血液もリンパ液も循環させることができない方がとても増えています。
スウェディッシュマッサージは、腰臀部から肩甲骨の間、
首にかけての施術のテクニックに大変長けています。
その背部全体を流すロングストロークのテクニックで、自己治癒力のスイッチがはいります。
体内に蓄積された老廃物や疲労物質が体外に排出され、
毛細血管が末端までしっかり開けば、またしっかりとご自分の力で新鮮な酸素や栄養を
末端にまで届けられるおからだになることでしょう。
あなたがするべきことはただゆっくりと、おからだをゆだね、力を脱くことだけです。
衣服の上からおこなうもみほぐしに比べて、
スウェディッシュマッサージは直接素肌に触れることにより、
愛情ホルモンとよばれるオキシトシンの分泌を促進する効果もあります。
でも、この気持ちよさはとても文章では表現できません。
マッサージは理屈より気持ちよさが一番大事だと私は思っています。
おつらい凝りに悩むかたに、是非体験していただきたいです。