田崎智子
日、月、火、水曜日担当
皆さまこんにちは
この度ご縁あって、ならまち月燈のお仲間に加えていただいた田崎です。
お身体に携わる仕事を続ける中で、知人やお客様から聞かれる事が多い質問のひとつに「なぜこの仕事をしようと思ったの?」というものがあります。
今日はこちらの質問に基づき私の話をさせてください。
もともと生き物全般に興味がある子どもでしたが、人体への明確な疑問を持ち始まった最初の記憶は小学二年生の時です。
「なぜ私のしもやけはいつも同じところに出来るのだろう」
「なぜ駆け足の際の踏み込みに苦手な側があるのだろう」
「あの子の足が速いのはなぜだろう、投球が上手いのはなぜだろう…」
などなど…
その辺りから自分の身体や人の動きを観察し、分析する癖がつき始めました。
そうして自分の身体を触っているうちに、左右差がある事や、痛いところ、痛くないところがある事に気付いたり、ツボを発見した!と大喜びするなど、無邪気な勘違いもしておりました。
(後に中国四千年の歴史が大昔に発見済みだと知る事になります)
その後本格的に色々と調べ始まる事になるきっかけは高校生の時、車に跳ねられた後の後遺症に悩み始まってからでした。
毎日薬を飲んでも効かず動けなくなる程の頭痛、首の痛み、肩こり、手足の痺れ、筋肉の萎縮、感覚の麻痺…
などなど、若くて体力もあったので、症状もきつく出ていたように思います。
その後紆余曲折ありましたが、自分の身体が何故こんなに辛いのかを知りたい。
という思いもあってこの世界に入る事になりました。
そしてあまりいい状態の身体では無いのにがむしゃらに働き、症状はむしろ悪化、多岐にわたる、という始末。
病院に行っても原因がわからず、燃えるような背中の痛みで常に涙目、夜も眠れず、神経症状の悪化で排尿や排便にも影響がありトイレでも苦戦し、痛みで杖無しでは歩けなくなった事もあります。
どうすれば良くなるのかを知りたい。
そして自分の様に、病院での診断が付かず、悩みを抱えた方々のお役に立てる方法を知りたくて、色々な事に首を突っ込みました。
心を鍛えればいいのか…と瞑想に打ち込みすぎてむしろ禅病…
自律神経失調症になった事もありますし、様々なトレーニングや体操をしてみては逆に身体を壊したり。
食事に気を付けてみたり、一定の物を食べたり、食べなかったり。
最終的には、熱心な整形外科の先生からの、脊柱管内の神経が引き伸ばされて常に緊張状態にあるからではないか。
という診断がきっかけになり、身体を見直すヒントを得る事が出来ました。
その時言われた事が「生まれ付きだからしょうがない」だったのですが、それならば私は子供の頃からそのような症状が出ていたはずです。
なぜ出なかったのか?
それは身体の状態が今より良かったからだろう、と考え、それならば自分で改善可能なはずだ。
と改めて身体の使い方を見直す事にしました。
その後野口整体を源流とする整体の道場で学び始め、自分自身の身体の状態に気付き、改善するきっかけになりましたし、今でもそちらで学んだ身体の見方、人体力学は皆様への施術のヒントとなっております。
今ではいわゆる整形外科的症状の辛さは昔程では無くなりましたし、自分との付き合い方にも慣れて参りましたが、更年期障害も重なってか、自律神経が影響すると思われる内臓の症状が強く出て来ました。
解消されない身体の歪み、症状は時間をかけて奥に奥に入る、とは聞いておりましたが、正にこれだなぁという感じです。
特に困っているのは、夜間から明け方にかけての頻脈、動悸、血圧の乱高下を伴う感覚的にはかなり切羽詰まった苦しさの心臓の症状なのですが、今のところ検査の結果は原因不明です。
自分なりにパターンを掴み、付き合い方を模索中ですが、なかなかに難しく、厄介なようです。
しかし西洋医学的、東洋医学的、心理的な側面、などなど色々と考察してみる事は施術に活きる勉強にもなるぞ。
と開き直りつつあります。
指圧の専門学校時代に大ベテランの先生から「指圧家は死なない程度の病気は全部やっておけ」と言われましたが、正にその通りだなと思っております。
お客様からお伺いする事が多い、整形外科的疾患、内臓疾患、精神的な症状…含めそれなりに一通り経験しつつ
診断さえ出れば安心出来るのに。
いっそ入院させてもらえたら楽なのに。
と悩み続けながら、改善への道すじを探して右往左往し続けてきた私の体験と、身体と心への思いが、あなたが抱えるお辛さに寄り添い、お役に立てる事を願ってやみません。
またどんなに辛くても、楽になる道やきっかけはあるかもしれませんよ、とあなたのお身体を通してお伝えする事が出来るかもしれません。
そんなに具合悪くて、この人大丈夫なの…
と思われてしまうかもしれませんが、しっかりと仕事をさせていただけるよう、心身を練り上げ仕上げておりますので、ご安心くださいね。
そして何より、こんなボロっちい感じの私でも、指圧を通して皆様のお役に立てているのだ…
という実感が、私の生きる支えであり、喜びとなっているのです。
私が心から尊敬の念を抱いております整体の大家、野口晴哉氏は、整体指導をおやめになるまでは本当にたくさんの、様々なお悩みを抱えていらっしゃる方々を、連日鮮やかに指導なさっておられたようですが
「自分より具合の悪い人は居なかった」と仰られていたそうです。
この言葉に勇気づけられると共に、その信念、生きる力を信じる胆力と覚悟に思いを馳せつつ、日々の戒めとしております。
長くなりましたが、皆さまが自らの理に必ずお持ちである、元気に生きる力を取り戻し、実感していただけるように。
皆さまの治る力を心から信じ、全幅の信頼を込めた愉気、心地良く響く指圧を通して、私にお手伝いをさせていただけましたら、とても嬉しいです。
あなたの身体の声と対話させていただける日を楽しみに、お待ち申し上げております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。