ご挨拶

女性臨床鍼灸とは

ならまちつきのあかりへようこそお越し下さいました。

 

ここは奈良の興福寺、猿沢池にもほど近い女性による女性のための鍼灸院です。痛くない鍼、温かく気持ちのいいお灸でこころとからだのバランスを整えます。

 

今まで、鍼やお灸というとどんなイメージをお持ちだったでしょうか?関心はお持ちいただいても、痛みへの心配や、火傷の跡が残る心配などから、なかなか足を運んで頂けなかったのかもしれません。鍼灸には、長い歴史があり、流派も依って立つ理論も様々です。鍼だけで概観してみても、一回の治療で一本しか刺さない、百本以上刺す、全く刺入しない、浅い、深い、筋や神経を基準とする、経絡や経穴を基準とするなど、百人百様といえるほどスタイルは異なります。

 

ならまち月燈が掲げる臨床鍼灸とは、学問としての一貫性や理論の整合性よりも、患者さまおひとりおひとりに即し、とにかくお役に立てることを優先する鍼灸です。東洋医学に則ってはおりますが、西洋医学と対立するものではなく、統合医療、人間をまるごと全体的にとらえるホリスティックな医療を目指しております。

 

私たちは患者さまをまるごと全体的にとらえることを大切にしています。健康や癒しとは本来、身体だけでなく目に見えない精神、霊性も含めた人間の全体性と深く関係性があると考えているからです。

 

人には自己治癒力が備わっています。しかしストレスフルな現代社会の中で、その力が覆い隠され、または患者さまご自身がご自分の持てる力を信じ切れずに、表面に現れる症状に右往左往させられることが多いのではないでしょうか。私たちは患者さまの自己治癒力を信じ、その治癒力の発現を邪魔するものを除き、足りないものを補うことに力を注ぎます。そして患者さまご自身もお気づきでないこころとからだの声を聴くことに心を注ぎ、病の深い意味に気づいて頂ける方向性を探ります。

 

このあたりは、光明皇后さまが悲田院、施薬院を建立し、病めるものの救済に心と力を尽くされた場です。私たちは奈良が好きで、その深い精神性に魅せられてこの地に辿り着きました。この地には氣が湧く力を感じます。きっと私たちの祈りと共にその力は私たちの治癒力を高めてくれることでしょう。

 

ならまち月燈での治療の行き帰りにお寺や神社にお立ち寄り頂くだけでも、この世の中には慈悲が満ち溢れていることをお感じ頂けると思います。故事にあやかり、私たちも女性がよりよく生きるお手伝いをしたいという一心です。何かにお困りの時、お悩みの時、立ち止まって考える場所、現代女性の駆け込み寺として思い出してください。

 

月燈という名前には、人本来の仏性の象徴である月不滅の燈をささげともす意味をこめました。悩み多き現代の女性の温かい燈となる場になれますよう、私たちは日々精進し続けます。