藤田一照さんと仏教で幸せになるレッスン

今日は、鍼灸院をお休みにして、尊敬する藤田一照さんのワークショップに参加してきました。

 

正確には、「からだに宿る生命力を感じ、心身をほぐすワークショップ」

 

こころ館さんとmumokutekiさんの共同の企画ということで、京都のmumokutekiホールで開催されました。

 

私は、Facebookで開催を知ったのですが、ホールは満員で、一照さんの人気ぶりを目の当たりにいたしました。

 

実は、明日も京都で一照さんの講座があって、参加の意思表示をしたときにはすでに満員御礼、

 

キャンセル待ちをしていたものの叶わず、未練がましくネットで検索していたら見つけた!

即、申し込み!で、滑り込めたのでした。

 

やっぱり、欲しいものは躊躇せずに取りにいかなければなりませんね。

 

 

でも、講座の内容は、欲しいものは自分から取りにいこうとしてはならないという内容でした(笑)

 

 

ん?どういうこと?

 

 

いこうとしてはならない・・といういい方はちゃんと伝わらないですね。

 

 

「~ねばならない」は一照さんのありかたとは、遠く離れたものですから。

 

 

もともと、私が藤田一照さんの名前を知るきっかけとなったのは、「マインドフルネス」関係の書籍を読み漁っていたことでした。

 

最近は、ビジネス誌の特集になるくらい、「マインドフルネス」という言葉は氾濫していて、なにか、私に必要なもののような気がする・・・という勘だけを頼りに、色々な方の御著書を本当に手あたり次第に読んでいたのですが、この方だ!と読めば読むほど、確信を持ったのが一照さんでした。

 

私がこういう世界に入ろうと思った大きなきっかけである野口晴哉先生について度々記されていることも、大きかったです。

 

「仏教で人生はもっと面白い!?」というPodcastを聴くようになり、益々そのお人柄にも惹かれて、「大空山磨塼寺」というインターネット上のお寺が開かれると待ってました!とばかりに会員になりました。

 

出版されている御高著は全て拝読してますが、ご本人におめもじするのは初めてでした。

 

ものすごく感激したのですが、でも、ずっとお考えやお声や、あとインターネット上の座禅会やご法話でも触れているので、初めてという感じがしませんでした。

 

 

私が一照さんにこんなに惹かれるのは、考え方の軌跡が似ているからです(レベルはあまりに違いますが(笑))

 

 

一照さんは、哲学を学ぶために文学部に入学され、でも第三人称の学問に興味を失い、隣接する学問である心理学、体育学にうつられ、大学院まで進まれますが、でもやはり、心だけ、身体だけの客観的な研究、科学的な研究に飽き足らず、第一人称、自分をも含んだものを求めて、東洋医学に興味をうつされます。漢方医学、鍼灸学とそれぞれ偉大な師にも出会われ、その道で・・・と思われたこともあったようですが、その師に「修行にはまず座禅を・・」といわれ、鎌倉の接心に参加されたことで、禅と出会い、大きく人生の方向を変えられました。

 

 

ですから、一照さんの語る「マインドフルネス」は、はっきりと仏教由来です。

 

ビジネス誌などで話題にされる「マインドフルネス」は、

「瞑想をしたら、こころがすっきりして業績があがります」とか、

「瞑想によって、ストレスを減らし、仕事の能率をあげましょう」だったりするわけです。

 

 

でも、仏教でいうマインドフルネスはそういう目的志向なものではないんですね。

 

冒頭に、私が「自分から取りに行こうとしてはいけないというお話でした」というのは、そういう意味です。

 

来るものを受け入れる、あるいは自分の内外でおきていることを価値判断をさしはさまず、意味づけをせずにただ照らしている・・・というような態度が仏教でいうマインドフルネスです。

 

今日、ご紹介した本は、マインドフルネスについてのものではありませんが、仏教の智慧を毎日に生かしたいと思われる方に最適な入門編です。

 

 

“” 悩んでいる人には申し訳ないけれど、悩みは単純になくなればいいというものではない、というのが僕のスタンスです。せっかく悩みに恵まれているんだから、じっくり悩んでみませんか、そのためのアドバイスをしますよ、というのが本書です ”

 

 

『ならまち月燈』にも、痛みに凝りに悩まれる患者さんがたくさん来られます。

 

 

もちろん、その痛みを悩みを取り除くことをのぞんでこられるのですから、私も申し訳ないとは思うのですが、同じことを思っています。

 

 

痛い時に鎮痛剤を服用します。誰もがご存知の通り、これは対処療法であり、痛みの根本的解決にはなりません。

 

 

薬で無理やり抑えつけるようなことはしないで、きちんとからだの声を聴き、その意味を読み取り、しっかり受け取る。

 

 

野口晴哉先生の整体法は、「病気は治すものではなく経過させるもの」という考え方が基本ですが、痛みも悩みも病気も同じように考えていいと思います。

 

 

” 望ましくないことがあなたの身に起こると、それがなぜ悩みという形をとるのか、その原因(=からくり)を良く知る必要がある ”

 

” 一時的な風邪引きみたいな悩みをちゃんと経過させることができたら、前よりも成長した私になっている ”

 

 

役に立つからおすすめするのは、これまたマインドフルネスではないかもしれませんが、痛い、つらい、苦しい患者さんに少しでも楽になって欲しい。

 

 

楽になるための方法は、外にあるのではなく、あなたのこころとからだの中にあるんですよ・・・ということを、私も臨床でお伝えし続けたいと思います。

 

 

一照さんにお会いできて、本当に嬉しかったです。

 

「一隅を照らして」頂きました。本当に有難うございました。