ケアワーカーの女性は足を冷やさないで

女性ケアワーカーは頑張り過ぎです

ならまち月燈に定期的に通って下さる方は、ケアワーカーが多いです。

 

職業の分類上ではなく、パートナー、お子様、ご両親のケアも日々なさっている方がほとんどなので、ほぼ100%の確率で、常に誰かのケアをなさっていると考えていいでしょう。

 

本当に、職場も家族も、女性の細やかなケアなくしては成り立ちません。

 

 

今日は、その中でもケアワーカー中のケアワーカー、介護職の方のお身体を診ていて思うこと、お身体からのSOSをお伝えしたいと思います。

 

 

今年の冬は、穏やかな寒さ、どちらかというとピンボケしたような暖かさで始まりましたが、今年に入って、グッと冷え込む日が増えました。

 

それに伴って、患者さんの身体の冷えが強くなり、50分の施術時間ではなかなか抜けなくなりました。

 

その中でも、とくに介護のお仕事をなさっている方々のお身体が冷えていると感じます。

 

そして冷えがなかなか抜けないので、当然のことながら、おからだの巡りが悪く、調子が悪く、お疲れが抜けない・・。

 

ぐったりとベッドに横たわるなり、お休みになられる方も多く、お声をかけるのもはばかられるくらいですが、

その施術前後の雑談ではっきりと共通する問題がありました。

 

その方々は入浴サービスをされているということです。

 

高齢者の方を、お一人ずつお風呂に入れて差し上げるということは、ただでさえ重労働です。

 

衛生にも安全にももちろんお気を遣われるでしょうし、東洋医学的にみると、大変「氣を消耗させる、氣を減らす」お仕事であることは間違いありません。

 

そんな大変なお仕事を、冬になると冷たいタイルの床の上で裸足でされるわけです。

 

次々と入居者さんをお入れするので、3時間ぐらい脱衣場と行ったり来たり、裸足のままでいることもあります・・とおっしゃるかたもいらっしゃいます。

 

お風呂ですから、上半身は湯気もあり、肉体労働でもあるので、汗もかき暑いぐらいでしょう。

 

でも、冷たい硬い床に裸足でいると、お湯がかかってもそれはすぐおからだの熱を奪うだけの水に変わるので、下半身は常に冷えた状態のままです。

 

おまけに足底は常に硬いタイルに触れて、緊張したままですので、当然のことながら交感神経優位のまま、おからだは戦闘態勢にあります。

 

考えてみてください。

 

そんな状態、冷えた冷たい硬い床の上で、何時間もお年寄りを何時間もお風呂に入れて差し上げるお仕事なんて、人類有史以来ありませんでした。

 

史上初の超高齢化によってできたお仕事ですから、だれもそんなお仕事を何年も続けて、おからだに不調をきたさないかどうかわからないわけです。

 

私の祖母も103歳でなくなるまで、在宅での入浴サービス、ショートステイ先の施設での入浴サービスを受けていたので、どんなに現場の方が心を砕いて、お風呂に入れて下さるかよくわかっていますし、家族にとっても、高齢者にとってもどんなにそれが有難いサービスであるか実感しています。

 

 

 

だからこそ、ヘルパーさんにはご自分のおからだを大切にして欲しい。

 

 

具体的には、まず長靴を着用して下さいとお願いいたします。

 

 

直接、水滴がかからないことと、硬く冷たい床との間にクッションがあることで、まず違います。

 

脱衣所との行き来の中で、長靴を脱着することが面倒なことは百も承知です。

 

でも、そのアドバイスを忠実に守って下さった方のおからだは、このひと月で温まるスピードも緩むスピードもあがりましたし、なによりもご本人が楽になったと仰って下さいました。

 

 

このブログを読んでくださっているヘルパーの方はもちろんですが、介護施設の責任ある方も是非、お耳を傾けて下さい。

 

介護にたずさわる方は、ご自分のおからだを犠牲にしてお仕事をされています。

 

この時期はインフルエンザの蔓延もあり、ただでさえ、人のやりくりの大変な中、お休みされる方の分までご出勤され、無理を重ね、免疫力も低下しておられます。

 

そこに恒常的な冷えが加わるということは、本当に致命的なことなのです。

 

 

ならまち月燈では、この時期はひたすら温灸と指圧マッサージです。

 

骨盤まわりを温灸で温め、祈るような気持ちで足先からおしりまで、ゆっくりゆっくりマッサージをします。

 

少しでもお気持ちがお楽になるように、お心が休まるように、冷えが抜けるように、

 

副交感神経にしっかりスイッチが入るように、気血水が巡るように。

 

 

 

どんなお仕事でもそうですが、現代の仕事は肉体労働であっても、頭脳労働でもありますし、感情労働でもあります。

 

ご自分のおからだの冷えになんてかまってられないほど、理不尽な怒りや要求にも対応を迫られ、ご自身につかえる氣は減る一方なのです。

 

 

ですから、下半身は冷える一方で、上半身には悪熱が溜まる「頭熱足寒」状態に陥り、とても疲れているのに、良質な眠りが得られません。

 

 

でも、ならまち月燈で施術時間中だけでも、ゆっくりとおからだを休養させることができれば、ご自身のおからだがどんな状態であるのが楽なのかをおからだが思い出し、結果的にお気持ちも楽になられます。

 

 

これからも永い人生を、少しでも楽しく楽に歩まれるように、ならまち月燈は大人の女性の保健室として、一生あなたを支え続ける場としてありたいです。