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関節リウマチと湿邪

昨日、今日と急に暑くなりましたね。

 

同時に梅雨らしいというべきなのか、湿度も高く、実は湿気に弱い私は、熱中症ぎみな感じで、熱が身体の中にこもっているようで、息苦しく、バテておりました。

 

鍼灸指圧師としては、こういう症状のときは鍼!と思って、自己治療、夕方には復活しましたが、久しぶりの湿負け(なんて言葉はありませんが(^^;)に、リウマチ患者時代を思い出しました。

 

スタッフ紹介の関節リウマチのページにも書きましたが、私は33歳から約10年間リウマチの症状に悩みました。

 

関節リウマチと確定診断されたのは、最後の1年でしたが、それまでは、「回帰性リウマチ」という診断名で、寛解と増悪を繰り返していたんですね。

 

リウマトレックスを内服していた時期も、ごく短期間ありましたが、効いた気はせず、お医者様もびっくりするような炎症値で、家の中の移動も困難なほどの激痛に2,3日耐えるとケロッと治るような不可解な症状が続いていました。

 

画像は、当時つけていたリウマチ手帳ですが、5月から始まって、6月、7月が一番症状も悪化しやすい、大変な時期でした。最後の方はその周期性に気づくようになりましたが、当時はそれが湿のせいとは思っていませんでした。

 

リウマチ専門医も相当数受診しましたが、当然のことながらといってもいいのかどうか、いつどのくらいというような季節のことや、食習慣、生活態度なんてことは一切聞かれたことはありません。

 

でも、東洋医学を学んで初めてわかりました。

東洋医学では、外邪と内邪が病因となるという考え方があって、私にとっては、湿邪という外邪と、仕事や人間関係という内邪が病の原因になっていたということを。

 

当時働いていた職場には、川床というものがあって、5月から9月までは鴨川べりに桟敷席を出すんですね。

見た目には、大変風情があって、お客様の人気も高くその時期は繁忙期です。

 

でも働いている人間からすると、浴衣ではなくきっちりとした着物で、35℃ぐらいの外気の中、また川べりなので当然湿度も高く、しかも川床の時期は夕立も多いですから、夕立のあとのむせかえるような湿気の中で立ち働くのは、なかなか大変なことでした。

 

今思えばですが、地元の方は暑い川床を避けて、クーラーの効いたお部屋食になさるので、暑苦しい川床と、冷えた部屋の往復も、完全に自律神経を狂わせるもととなっていたと思います。

 

忙しく、お客様と接遇すると気も高ぶり、仕事が終わって家に帰っても寝つけず、アルコールを飲み過ぎるほど飲まないと、眠れませんでした。眠っても、眠りが浅く、夜中起きては、冷蔵庫の氷をガリガリ噛んでいました。

 

東洋医学用語でいうと、肝氣鬱結から肝鬱化火という状態にあたるのですが、本当に自分の中で炎が燃え盛っているような激しい感覚がありました。

 

もちろん、リウマチの症状が出ているときは、仕事にも行けず、アルコールを飲むことはないのですが、症状が治まるとそんな毎日を繰り返していた・・ように思います。

 

結局、そんなことを10年近く、繰り返し、関節リウマチと確定診断が出たことで観念して、仕事も辞め、養生生活にはいったことで、リウマチの症状は出なくなりました。

 

漢方、鍼灸、食養生、カウンセリング、色々な力を借りて、症状を卒業できたことを本当に感謝しています。

でも、一番は仕事を変わり、こころが変わり、からだが変わった・・ように思います。

 

今は私の頃に比べると、格段にリウマチ治療は進化していて、新薬も続々と承認され新しい治療薬によって寛解にいたる患者さんも増えていると思います。

 

関節リウマチと一口にいっても、予後は人それぞれであり、急速に関節破壊に進むタイプもあるので、お医者さんの診断、早期治療は第一選択です。

 

私自身は免疫抑制剤を使うのが怖くて、治験に応じず、東洋医学に助けを求めましたが、それを自分の患者さんに勧めるかというと、はっきりとNOです。

 

でも、リウマチに湿が関係あるのではないか?とか、こころの置きどころとか、そういうことに関して、アドバイスはできますし、実際におからだを触りながら、楽になれる方向性を一緒に考えることはできます。

 

鍼灸マッサージはからだにたいして、大変優しい治療法です。

痛みでこわばってしまっているこころとからだを、ゆっくりとゆるめます。

 

10年前、私は痛みの中で孤独でした。お医者さまは忙しそうでとてもそんな相談はできませんし、ネットで情報を探しても、どの情報が正しいのか判断できませんでした。

 

自分のこころに問題がありそうだと思って、カウンセリングにも通いましたが、カウンセラーは深く共感してくれて、それはそれで助けにはなってもらえたのですが、こころだけに焦点が合っていたので、からだのことには直結しないもどかしさがありました。

 

そのころから、女性がこころとからだについて、ゆっくり振り返り、相談できる場をつくりたいと思っていました。

鍼灸師としては、まだまだ未熟ですが、同じような症状にお悩みの方がいらしたら、お力になりたい。

 

いつも、そう思っていますが、今日は自分自身が湿邪に襲われることで、どこかにつらい方がいらっしゃる気がして、昔を思い出しながら書くと、また長くなってしまいました(^^;)

 

女性がしんどい時、つらい時、いつでも思い出していただける場になりたいと、また明日からも精進します。