十代のこころとからだ

十代の女性のこころとからだは複雑です。

 

十代前半で初潮が始まり、こどもからおとなのからだへと移行する時、スムーズに成長、発達というかたちであればいいのですが、実際には発達していくスピードも個体差があり、個体のなかの機能のなかにも未発達なまま取り残される部分があるなど、アンバランスな時期が長く続くことがあります。

 

当院におみえになる十代の患者さんの主訴でみると、PMS(月経前症候群)、頭痛、膝の痛みが多いです。

 

とくに頭痛は、学校に行けなくなるほどの激しいものが多く、脳神経外科や神経内科、心療内科など、考えつくかぎりのよい選択肢を探して受診され、検査も何度も受けられたうえで、異常なしと診断され、困り果ててこられる方ばかりです。

 

どんな症状でもそうですが、西洋医学では痛みのあるその部位に、レントゲンやMRIで異常がなければ、病院では治療のしようがありません。

 

そして、気持ちの問題でしょうとか、心の問題だといわれ、向精神薬での治療となってしまいます。

 

東洋医学では、頭が痛い時に脳だけに原因があるとは考えません。

 

もちろん、脳腫瘍や脳梗塞など画像に映るようなこわい病気が隠れていることもありますから、病院で精密検査を受けられることは必要ですし、私たち鍼灸師にとっても有難いことです。

 

が、今までお越し頂いた患者さんの頭痛の原因は、頭にはなく足にありました。

 

膝から下がパンパンで硬く、マッサージしようにも指が入らないような硬さなのです。

 

もちろん、東洋医学、とりわけ経絡治療の考えでいうと、五臓(肝・心・脾・肺・腎)の精気の虚や病理の虚熱、寒熱、外邪などいろんな要因が絡まり、足だけが問題ではないのですが、ここでは西洋医学的な診方とは違う診方で症状をとらえることの重要性を考えてみてください。

 

十代の女性は、成長の途上です。

 

生きるエネルギーが内側から満ちてくる時期です。

 

それを上手に昇華できればいいですが、出口に迷ってからだの中の内圧が高まり、パンパンに膨れてしまっているときに、それが頭痛としてからだからのSOS信号を発していることがあります。

 

ならまち月燈では、まずその内圧を抜くための施療をします。

 

十代の女性は、鍼が怖い方も多いので、ゆっくりゆっくり鍼が痛くない気持ちのいいものだと知って頂くため、まずからだがリラックスできる状態をつくるため、指圧マッサージから始めることが多いです。

 

刺さない鍼や、お灸の跡の残らない温灸など、ふだん痛みでお悩みの方がそれ以上痛みでつらい思いをなさらないような施療を心がけております。

 

お読みくださっている方はお母さまが多いと思いますが、お嬢さまのお辛さは我が身のようにお辛いこととお察しいたします。

 

これから、結婚、出産の可能性もあるおからだですから、多量のお薬の服用は心配ですよね。

 

学校を休みがちになると、おからだ以外のことまで心配になります。

 

こころとからだは密接にからまり、影響しあっています。

 

お嬢さんは、ご自分の中の変化にとまどい、その変化を言葉にできずにからだに症状として出しているのかもしれません。

 

いろんな可能性がありますが、お近くにいらっしゃるがゆえに見えないこともあると思います。

 

どうぞ、一度ご相談ください。

 

早く元気なお嬢さまの笑顔を一緒にみたいですね。