三十代のこころとからだ

現代の三十代女性はとにかく多忙です。仕事を持ち、責任ある立場になっている方も多いでしょうし、結婚をする方も、出産をする方も三十代が一番多くなるイメージです。

 

イメージだけでなく、実際に2016年度の人口動態調査によると、初産の出産年齢の全国平均は30.7歳、第二子出産が32.6歳、第三子出産が33.6歳ということなので、出産前後のことは三十代に集中しているといっていいでしょう。

 

からだからみてみると、妊娠出産は骨盤にとって最大のライフイベントであり、骨盤の動きも最大のふり幅となります。出産直後は骨盤もその周りの筋肉も完全にゆるみきって、2,3か月かけて回復していく動きになります。

 

またこころからみると、女性ホルモンのバランスが激変すること、出産を取り巻く社会的環境や、夫婦間、お互いの両親との関係など、自分自身の今までのペースを変えることを余儀なくされることも多いため、とてもストレスを抱えやすい時期でもあります。

 

月燈におみえになる三十代の患者さんのお悩みで多いのは、肩凝り、腰痛、足のむくみです。

東洋医学でいうと、氣滞、血滞、水滞・・とにかく、からだを巡っているはずの氣も血も水も全てあちらこちらで渋滞し、滞りだらけ・・・というような状態に陥っていることが多いのです。

 

冷え症も多いですね。足指の末端が氷のように冷たい、下腹部の中に冷たい石があるかのように冷たい・・そのような冷えをからだに抱いている方は、たいてい夜も熟睡ができていません。

 

その結果、からだの力が抜けず、リセットができないまま朝を迎え、その疲れが蓄積されて、次の症状を生むという悪循環に陥るのです。

 

月燈では、まず丁寧な問診により、患者さんの生活のなにが負担になり、なにがからだの不調というサインをださせているのかをお伺いして一緒に考えます。

 

そして、脈や舌を診て、おなか、足に触れ、何を補い、何を瀉す(余分なものを取り除く)かを考えます。

この段階では、患者さんの口から聴くより、からだに聴く方が多いです。

 

そして、基本的にはお灸で温め、鍼で氣の向きを変え、指圧でゆるめることを重ねます。

とにかく、日常の緊張がとけず、交感神経優位の毎日を送っている方が多いですから、副交感神経に切り替わり、からだがゆるむ感じを実感して頂ければ、あとはご自宅でも自己治癒力のスイッチをご自分でいれることができるようになります。

 

ならまち月燈では、まずゆるんで楽なかんじを、ご自身に許していただくことに注力いたします。

朝、お目覚めの時に、「あ~よく寝た、今日も最高に幸せ‼」って、笑顔で一日を始められるようなこころとからだが目標です。